兎と猿の珍しい木彫です。 江戸～明治に製作されたと思われます。 木目も美しく、兎の赤い眼など彩色もよく残っており、見応えのある作品です。 さて兎と猿といえば京都の高山寺に伝わる国宝の鳥獣戯画を思い出される方もいるのではないでしょうか。この両者は仏典ではとても大事な動物たちで、兎はお釈迦様、猿は釈迦の十大弟子の舎利弗尊者の前世の姿とされています。 兎、猿、山犬、カワウソは賢者として他の動物から信頼されており、詳しくは省略しますが、兎はその尊い行いから帝釈天より誰もが兎の行いを忘れないようにと、月に兎の姿を描いたといわれています。 兎や猿はよく彫刻の題材としても取り上げられてきました。また十二支の動物であることから、人々の身近な存在として伝えられています。 本品は非常にできがよい彫刻で当時の彩色もよく残っていて、不思議なオーラを放つ興味深いものです。兎と猿が対で残ったのかはわかりませんが、カミシモをつけかしこまった格好で座っている兎と猿は造形としてはとても面白く感じます。 サイズ 兎 高さ 85ミリ 横幅 60ミリ 猿 高さ 77ミリ 横幅 59ミリ 材：ツゲ 木彫、傷などはほとんどなく、よい状態です。 古いものですからご理解を頂いた上でご検討よろしくお願いいたします。