木象嵌を施した黒柿の重箱です。 寄せ木細工のように同じ模様を薄く削って多くの作品を生み出すものとは異なり、唯一無二の一点物です。 外箱の底には享保6年とありますから、 304年前の作品となります。 8代将軍吉宗の時代です。 質の良い黒柿材に一つ一つ異なった家紋を違った材質で緻密に木象嵌を施しています。 拡大してご覧になってください。 黒柿の肌に埋め込まれた象嵌の緻密な事、当時の卓越した職人技が存分にいかされています。 実に見事な名品です。 重箱の四方側面、上面にはよく見ないと分からないような細かな当たりはありますが、目立った欠損などはないようです。 それでも長い長い年月を経て来たお品ですので、蓋の反りや内側には剥げや修復された箇所もあります。 ご理解願います。 枠いっぱいの写真を載せましたので、よくご覧になってください。 美術品としての価値も然る事ながら、時代的な資料としての魅力もたくさん秘めた、お品です。 ほんとうに本当に素晴らしいお品です。 本体　約170cmx195cm高さ235cm 外箱　約200cmx225cm高さ290cm