DY-41はご存知Martinの D-41を目指して1970年代から製造されていますが1982年定価は150,000円でしたが、1990年前期には200,000円、1993年のカタログでは350,000円に、生産が終了する20世紀の末にはその定価は400,000円ほどまで上昇していました。(現行最上位モデルでもあるDY-45の実勢価格は500,000円です）その生産が完了するまでは同シリーズ内ではDY-45に次いで上から2つ目のグレードという立ち位置にあった高級機種です。特に70年代のDY-41は製作本数自体が少ないため、お勧めします。 看板モデル故にK.Yairiは高品質の厳選された素材を惜しげもなく使ってきました。ヘッドの縦ロゴK.YAIRIのシェルを始め、エボニー指板には45スタイルのアバロンインレイ、ボディバインディングにもアバロンシェルを埋め込んでいます。トップ板にはセレクトソリッドスプルース、サイドとバックにはソリッドローズウッド、ブレーシングパターンは本家に準拠しスタンダードなフォワードシフテッドXブレイシングとなっており、立ち上がりが速くかつどっしりとしたサウンドを併せ持ちバランスに優れた楽器です。 全体的に製造後45年が経過していますので、小さな打ち傷・擦り傷や修理の跡や痛みが見られますが、致命的な割れ等の痛みは有りません。まずボディトップには永年貼ってたシールを剥がした跡が残っていますが目立つ様な傷は有りません。ペグのオリジナルグローバーゴールドはくすみが有りますが動作は良好です。ボディやネックバインディングにも補修跡が見られます。フレットは多少の減りは有りますが現状でも使用に問題は有りません。トップとバックのブレイシングも詳細な点検を行いましたが剥がれは有りません。ネック反りも無く、12フレットでの弦高は1弦側で約2mm、6弦側で約3mm、サドル調整可能幅は約2mmです。 さて問題は鳴りですが「素晴らしい」に尽きます。オリジナルのMartinと同じノーマルブレイシングを採用しており、程良くボディの乾燥も進み長年の弾き込みもあり、力強くガッチリとした低音域と暖かさに太さが加わった中音域そしてMartin D-45より少しエッジが鋭い高音域を持ち、立ち上がりの早いサウンドが飛び出して来ます！比較的頑丈なヤイリ専用ハードケースが付いてます。