昭和国産腕時計 セイコーロードマーベル 23石 後期型15023E 14KGF

1958年（昭和33年）諏訪工場から国産初の高級腕時計が販売されました。当時は破格と言ってもよいくらい高価でした。マーベルが基礎になったモデルですが、そのマーベルの倍の価格でした。当時は国産品に高級と呼べる物が数少ない時に、誕生したのがこのロードマーベルでした。ムーブメントは見た瞬間に身を構える美しさで、磨きこまれた丸穴車や、角穴車、そして各受板に彫刻された金色に輝く文字、ネジの一本一本までも磨き上げられています。国産腕時計に求められた水準を遥かに凌ぐ性能も、持ち合わせています。完成度の高さは当時驚愕的と言われて、全ての面で妥協を拒否した物で、この後発売される【グランドセイコーファーストモデル】の母体となりました。この出品物の文字盤は後期型のSD文字盤ペイントペットネームになります。ケースは後期型の少し大型の総金張り（80ミクロン）の非防水スナップ式裏蓋式になります。この金張り80ミクロンはグランドセイコーと同等になります。文字盤にはシミや焼けは少なく大変綺麗だと思います。ケースも、大きくメッキの剥げは無く、裏蓋のフチの一部に欠けがありますが、それ以外は良好です。リューズは純正のSW刻印（防水仕様）の物になります。修繕履歴は28年10月に受けているようです。セイコーのムーブメントとして初めて一つ一つにシリアルナンバー（個体番号）が刻印され、製造順が特定出来るようになりました。出品の物は964335になります。歩度精度は最後の写真に測定結果の画像を掲載しています。テンプの振りも元気で修繕整備するのが大変楽しみな出品物です。ケースのラグのメッキも綺麗ですので、金属ベルトで痛めないように、新品革製ベルトをつけています。